19歳、ごんぎつねを読み、わんわん泣く

19歳、ごんぎつねを読み、わんわん泣く

はじめに、以下の文章はごんぎつねのネタバレを多分に含むので、ネタバレ注意です。

ごんぎつね、青空文庫で読めるので、是非。

www.aozora.gr.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学生ぶりにごんぎつねを読んだ。泣いた。わんわん泣いた。

私はごんを抱きしめたかった。だってごんは撃たれたのだ。こぎつねは、火縄銃で撃たれて、こぎつねが火縄銃で撃たれたら、撃たれたら………

かなしい。かなしい。だってそんなのってない。

ごんはひとりぼっちのこぎつねだ。ひとりぼっちってつらい。さびしいから。ごんはやろうと思えばくりをどっさり拾うことだってできるのに、いたずらばかりしていた。わかる気がする。こどもは他の生き物の気を引きたい時、だいたいいたずらをする。こどもの私もそうだった。笑って許してもらえることと、本気でいらつかせてしまうことの境目が、まだあまりわからなくて、周囲はきっと手を焼いていた。

 

おれと同じひとりぼっちの兵十か

 

ごん。なあ、ごん。お前は寂しかったんだろう。お前がなんでひとりぼっちなのかは知らん。でもお前はひとりぼっちで、寂しかったんだろう。

兵十の母親は、うなぎを食っても食わなくても死んでいただろう。お前が殺したんじゃない。そんなことはきっとお前も分かっていたんだろう。

寂しかったんだろう。お前が寂しい時、お前は何が欲しかった?何をしてほしかった?

兵十もきっと母親を亡くして寂しいだろう。お前は兵十になにを与えてやりたい?何をしてやりたい?

母親の今際の際の願いを叶えたい気持ち、それを叶えられなかった無念、母親を亡くした悲しみ。兵十の気持ちを想像することができたからこそ、お前はつぐないにいわしやくりを兵十に持って行ったんだろう。神さまだ、なんて言われて、お前は引き合わないなんて言う。まあ、そりゃそうだ。私がお前だったら、本当は気づいてほしい。うなぎをとってしまったことを許されても許されなくても、とにかく気づいてほしい。そう思うに違いない。

でも、よく考えろ。お前、神さまに間違われるようなことをしたんだぞ。いたずらばっかりのこぎつねから、一気に神さまになっちまったんだ。お前のつぐないは、たしかに届いたと言っていいんじゃないか。

ぐちゃぐちゃの感情のまま書いた感想、ぐちゃぐちゃすぎるな…

なんかこう、読んでいて、「ごんのいたずらが原因で、自分の母親の最後の願いを叶えられなかった」ということは、「ごんを殺す」という行為の理由足りえてしまうのだな…と、改めて人間と人間以外の生き物との隔絶を感じた。なまじごんが人間臭く…たとえばやけに村の、人間の事情に詳しかったりとか、そういう風に描かれているから、複雑な気持ちになった。普段から村のことをよく見ていたのだろうな、ごんは…やっぱり、仲間に入れてほしかっただけなんじゃないかと思ってしまうよ…

兵十の影法師をふみふみ歩くごん、かわいすぎる。来世では幸せになってくれ…